自転車での軸の考察

「軸」
どんなスポーツ、いや日常生活においても立ち方、歩き方、座り方と、どれを取っても必ずこの軸があり軸を意識するかどうかでずいぶんと姿勢が変ってくる。
では自転車においてこの軸とはどういったものか、私は考える。
軸と重心は似たようなモノに捉えがちだが、軸というものは一本のピンとした線として捉え、重心は一番重さがある場所と捉えると良いかもしれない。自転車においての軸というものはハンドルの幅、前後輪のハブを円とした中で、その中で自分の重心を前後左右に適宜ズラすものだと思っている。簡単に説明すると洗濯機のようなものだ、大きな箱の中で洗濯槽が揺れている感じ。種目によってこの軸の幅も大きく違う、トラックではハンドル幅、シートポスト~ステム辺りだと思う、非常に小さいが固定ではない、固定してしまうとポイントレースや4キロ速度競争では簡単に落車してしまうだろう。ロードではハンドル幅、ブラケット先端~サドル最後方ほどだろう、日本では綺麗に回すペダリングの意識が高いのでバイクを左右に振る事はダメだと教わるが、パリ・ルーべやフランドルのような石畳ではバイクを左右に振っている姿が頻繁に見られる、こういった路面が荒れている状況で軸の幅が狭いと斜めにバイクが突き上げられた際に簡単にスリップしてしまう、スリップしない為にも軸に幅を持ちバイクを身体の下で遊ばせられる事が重要。
ヒルクライムにも実は必須、これはMTBライダーが非常に上手いスキル。登っている最中に斜度の変化、路面の変化で腕や足の筋肉にグッと力が入ってしまう事は誰でも経験あると思う、このグッと力が入るのは当たり前だがスピードアップの為に行っているのではなく、急になった斜度、重くなった路面に対して負けないように耐える為に力を入れたもの、プロライダーやヒルクライムのスペシャリストはこういった外的な変化を筋力に頼らず軸をズラして行っている、だから見た目は殆ど変らず同じ様なリズムで登って行く。固定して登っていると思われがちなヒルクライムもしっかりと軸を意識して重心を動かしている。
特に軸が広いのはトライアル&フラットランド。ハンドルが地面に付きそうなほどバイクを倒しても軸はブレてないので倒れないし、そこから1M程の高さまでジャンプしてしまう。
こう考えると、固定して乗っているライダーが多い事に気が付く。常々自転車にも「達人」と呼べるような乗り方があると思っている、剣道や柔道では力のある若者に試合では負けるが、動きの洗練さ、無駄の無さなどは素人が見ても「美しい」と判る老人がいたりする。こういった達人に通じるのは動きはユックリに見えるが実際は速く、大きな力を使わず柔らかい。
自転車でも相手の力(風や路面)を受け流してプラスに使う事が可能なのだ、数値化とか説明するとか非常に難しい事だが、自転車はペダルを一生懸命踏むだけじゃない!と気が付いたライダーは同じスピードでもっと楽に走るには?と考えてみては。

※写真はXCバイクのXCポジションではほぼ限界まで倒し込んでいるコーナー。後輪ブレーキかけていないのに芝生が舞い上がってるのでタイヤと路面と軸が一体化されてグリップの限界を少し超えた辺りってことでしょう。

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