コーチング

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先週に伊豆の修善寺サイクルスポーツセンターにて5日間の日程で、
文部科学省委託事業 2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト
          タレント発掘・育成コンソーシアム
          タレントアスリートチャレンジプログラム(自転車競技)
という2020年の東京オリンピックを目指す13~15歳で様々な競技で優勝な成績を残している男女10名を集めて自転車競技の適性を見るというプログラムが日本スポーツ振興センターが主管となり行われた。http://www.jpnsport.go.jp/

このプログラムを行うに当たり、イギリスよりイギリス自転者車競技連盟でレベル1.2.3のコーチを行い、UCI(国際自転車競技連合)でのコーチングも行っていたチェスター・ヒル氏を招いた。チェスター氏が来日するという事で、特別に日本の各種目のコーチ陣のコーチング研修も行われた。ロード、トラック、BMX、MTBの種目から6名のコーチが集まった。

ロードはもちろんトラックやBMXに乗る事も初めてという参加者が大半だが、運動神経や基礎体力が十分に備わっている。例えば陸上100Mなら11秒0。1500Mなら4分ちょい。今回はバレー、バスケ、スキー、野球、陸上、サッカー、から同じように全国レベルのスポーツ歴を持った参加者達。
簡単にな説明や走り方の基礎を行って、慣れたら250バンクにイン。少ししたらバンクに上がって周回。3本ローラーは10分も掛からずに全員が走りながらボトルの水が飲めるまでになった。

ワットバイクでのFTPテストでは、持久系の種目だった参加者は体重の4.5倍ほど出ており、一番だったのは5.3倍。ダッシュでのピークパワーで一番だったのは1600ワット超え。
自転車に乗って2~3日です。クリートの位置もポジションも目視で「ストレスが無い」で合わせただけ。ペダリングや体の使い方は簡単に教えたのみ。

コーチ研修ではトラックやロードでは最強国となっているイギリスのロジックを色々と教わった。
内容は本当に単純でした、しかしそれを正確に何年にも渡ってやり続けることが出来るかどうか。チェスター氏は毎日何度も同じ事を言っており「ATTITUDE」(態度)が重要だと。このATTITUDEがあった上で「COMMITMENT」(献身)、「OWNERSHIP」(当事者意識)、「RESPONSIBILITY」(責任)、「EXCELLENCE」(卓越した結果)となり、各頭文字を取って「CORE」(コア)を合言葉にイギリスではアマチュアからトッププロまで一貫して同じ意識、プログラムで取り組んでいる。

全日本女子ロードレース11連覇を達成し、引退後はJOCのスポーツ指導者海外研修で自転車のコーチングを学び、現在は競輪学校で教官となり教えている沖美穂さんとチェスター氏と話した会話が非常に勉強になった。日本人およびアジア人はウォームアップをやり過ぎる、と。イギリスでは自転車に乗ってのアップは20分のみ、それでベストまで持っていく事で余分な体力を使わず、時間も使わない。20分でベストに持っていく為にはアップの練習も必要だと。確かに国内のレースに行くと1時間とかローラー踏んでいたり、スタート前まで忙しなくストレッチしてまた自転車に乗ったりと、本当に動き続けている。しかしヴィギンスもフルームもクリス・ホイもこの20分アップのみだと言う。ホイはトラックの選手なので1発勝負のリカバリーが効かない競技なので、十分に体が動いていないといけないはずだ。ヴィギンスやフルームはタイムトライアル(TT)の場合で、TTは大体1時間前後なので競技時間は長いとは言え、スタート直後から追い込む競技だ。この20分アップを行ったら、スタート前まで椅子に座って音楽でも聴いてリラックスしながらレースに集中していく事が重要だと言われ、日本の場合は音楽は聴くもののスタート直前までローラーを踏み続ける選手が多い。当たり前だが、経験でモノを教えているわけではなく、全て科学的に立証された事に経験をプラスしている。
自分自身では、経験が邪魔をするという事が何点も上がってきた。
日本のトッププロが長年に渡って行ってきた事、良いと言われている事が、世界という場所を見た途端に全く時代遅れで、意味の成さない事だった。以前に元MTB世界チャンプのホセ・ヘルミダにインタビューした際に、毎年トレーニングを疑って変えていく、と言っていた事と完全に一致。「自転車競技はこうだ!」といった伝統とか風習とか法則とかみたいなものは、何代も引き継ぐ部分と日々アップデートしていく部分がちゃんと分けられていないのが今の日本なのかもしれない。メニューがどうだとか、ペダリングがどうだとか、その前に根本的な考え方を変えていく勇気が必要なのかもしれない。経験を積み重ねて得たモノを常に疑って時には180度変える事は本当に勇気が要るとは思うが、強い意識とは想い続ける強さもあれば、変えるという強い意識もある。
私が質問した内容の一つに次のようなものがある。
「疲労があったり、体の動きがなかな出てこなくて、30分程のアップでは目標値の数値で走る事が出来なくてメニューを中断し、しばらく走っていたら動くようになったのでメニューを行うという事があるが、こういう場合でも20分アップで良いのか?」
に対しての返答で、20分アップでメニューが出来ないならば、強度を下げるか、行わない、と。そんな日は強度の高いメニューを行うべきではないと。しかし、ロードレースではスタート後は体が動かなくて辛くて仕方がないのに、中盤になったら体が動き出して、そこからアタックして逃げ集団のままゴールとかあるから、こういった場合の練習になるのでは?と更に聞いたら、それはあえて行う事ではなく、レースを走りながら覚えて行く事だと。練習では常に良いコンディションで追い込むことが重要で、疲労時に無理して耐えて走る事では無い、とも。
日本では働きながら走っているライダーが殆どで、時間がないから走られる時に走っておかないといけないから疲れていても無理して追い込んで走るライダーが多いが、それはどうなのか?に対しての返答は、本当に強くなりたいのなら集中できる環境に変える、だった。こちらの意図が完全には伝わってなかったのかも?と考えたが、チェスター氏からすると本当に強くなるというのは世界を目指すという意味なので、働きながら得られる程度の強さなんてのはそもそも頭にないのかもしれない。が、イギリスのトラック選手ではオリンピックに出られるかどうかのレベルでは食べていけない選手もいるので働いている選手もいると言っていたので、やはり私の質問の意図が伝わりきってなかったのであろう。

イギリスでは高い意識と基礎が大切で常にチェックしていると。
意識はCORE。基礎とはブレーキやパイロンスラロームやボトル拾いといった本当の基礎の基礎。日本では乗り始めた初心者が1~2回行うのみの内容を、イギリスではプロも定期的に行っているとの事。その内容は私が普段のスクールで行っているものとほとんど同じだが、こういった事を世界のトッププロにも行わせているという点が非常に興味深かった。日本ではロードで板の上の一本橋を上手く走られても何かあんの?そんな時間あったら沢山走れ!で終わってしまうが、イギリスでは全てがロジカルに考えられていて、メニューの内容一つ一つに理由が出されて、そのシーンを考えさせる。落車で大怪我するか、怪我で済むか。1秒差で勝つか負けるか。この差が日頃の細かな基礎でありスキル。これはこのブログでもず~っと言ってる事だが、チェスター氏が断言してくれたのでこれからも自信を持って言い続けたい。

参加者は5日間(半日2日間、1日中3日間)で23時間の自転車トレーニングを行った。夜には毎日2時間ほどの講義もあった。かなりキツイ5日間だったと思うが、こういった事に耐えられる高いモチベーションにタフな身体が備わっているダイヤの原石のような中学生が日本にはゴロゴロいるんだろうか?今の日本のプロ自転車選手の身体能力が低いわけではい、他のメジャー種目のプロに引けを取らない数値は出るし、体の使い方が物凄く上手い選手もいる。ただ、自転車競技には向いていない資質だったから日本ではプロになれても世界レベルには達しなかったとか、身体資質は高くはないが自転車競技にはバッチリな適性があったから日本ではプロになれたが世界レベルには達しなかった、というのもある。欧州ではこういった適性を見極めるシステムが秘密裏にあるようで、今回のこのプログラムでは日本人がどういった競技でどの程度の成績があると自転車競技に適性があるのか、という事を調べていく一歩を踏み出した。

トラック、ロード、BMXの3種目のトレーニングを行い、夜の講義では世界の大会で活躍した際にインタビューを受けての受け答えのメディア対応の練習も行った。中には半分を英語で受け答えし、記者に扮したコーチ陣の質問に対して記者が欲しい言葉を察知して返答したりと、非常にレベルの高いものだった。ただ成績を出すだけでは数多のスポーツの中からピックアップして取り上げられたりはしません。メディアに対してメディアが「報道したい」、「注目したい」と思わせる対応をしなければいけない。これは成績と同じくらいに重要です。活躍は知ってもらって初めて活躍になります。知られなければ自己満足で終わってしまう。

この研修を受け、日本から世界へという想いが一層強固になった。
日本では自転車に追い風が吹いているので、私は自転車競技を世界レベルにという側面から携わっていければと思います。皆さんも各々で出来る何か一つで追い風を更に強くしていって下さい!
 
 

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