ホイールインプレ

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発売されたてホヤホヤのサイクルスポーツ3月号の表紙を飾っております。
そして毎年大好評のロードホイールインプレッションを担当させて頂き、今回は23本のホイールをテストして評価しました。例年以上に非常に時間が掛かった今回、その理由として各社の傾向がパターン化して出揃ってきて、差異が少なくなって差異を見付けるまでに結構な時間が掛かりました。言い換えればホイール全体のレベルが上がっているという事で、とても良い事です。特にブレーキに関してはディスク化の波が完全に押し寄せてきているので、リム制動を生き残らせる為にはディスクとタメを張れる効きの獲得が必須となりそう。何事も背水の陣は必要って事でしょうか。
今回のホイールの中には、硬くてどうしようもないってレベルのホイールがなかった。フレームにもホイールにも硬いのが正義だという流れ、乗り心地も加味したのが正義だという流れがあって、同じモデルを毎年乗っていくとこの傾向はわかってくる。プロツアーチームのトレックファクトリーレーシングが2015シーズンに乗るバイクの発表を見て面白かったのは、エモンダ、マドン、ドマーネの3機種のバイクの中でドマーネに乗る予定のライダーが圧倒的に多かった事だ。もちろん、レースに合わせてシーズン途中にバイクは何度も変えるだろうが、とりあえず今の所はドマーネに人気が集中している。こういったものを見ると、世界トップレベルの選手であっても快適性というものは軽さやエアロよりも外せない要素なのかもしれない。アルミフレームが台頭していた時期は7000系やスカンジウムといった硬い素材を大口径や角型にして、とにかく剛性を上げるという流れだった。しかしそれではやっぱり選手も辛かったのかカーボンバックが出てきて、後にフルカーボンに。カーボンになってからはアルミ時代の剛性が出せなかったのか、剛性上げ競走はしばらく続き、前年比○○%剛性UPというのが売り文句だった。剛性が一段落してからは軽量化にエアロ化に焦点が移っていった。剛性面ではライドフィーリングが重要視されるようになり、カーボンの特性を存分に活かした設計が行えるようになった。BB周り、ヘッド回りは剛性を上げ、アッパーラインの特にシートステーは積極的にしならすという作りもカーボンならお手の物。アルミでもハイドロフォーミングによって以前の剛性を残しつつ乗り心地がかなり良くなっているモデルも多い。
2015年のホイールは全体的に剛性を落とし気味にし、扱いやすくなっているように感じた。とあるカーボンの技術者でフレームもホイールも設計している方の話を聞いた時に、フレームは完成した際に設計通りの走りの感触を出しやすく、ホイールは設計通りの感触を出す事は凄く難しいと聞いた事がある。これは乗っていても非常に良く分かることで、メーカーの謳い文句と実際の走りの違いはフレームよりもホイールの場合の事が多い。ホイールは自転車の中でも一番バランスが必要とされる部品だと思う、乗り手が求める性能の項目が多く、絶対に妥協が出来ない項目がある。これがフレームと乗り手との3角関係によって成り立つという非常に厄介な世界。二股よりも厄介だ。
自転車に乗るにはペダル、ハンドル、サドルの3点支持。バイクを自立させるには前後ホイールにスタンドの3点支持。整備スタンドの足も3点支持、ボルダリングの3点支持や足裏も母指球、小指球、踵の3点支持。上虚下実というものがあって、よくよく読み解いていくと起立して立つのも3点支持。
自転車は、人間、ホイール、フレームの3点の組み合わせが重要ってのを頭に置きながら読んで頂ければと思います。
 
 

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