コーナリング学

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サイクルスポーツ12月号にて表紙モデルに起用して頂き、メインコンテンツのコーナリング学にてアドバイザーとして登場しております。

自転車でのコーナリングですが、自分で言うのもなんですが難しいです。
バイクの性能(タイヤやフォーク剛性といったスタビリティ部分)に頼る部分よりライダー側に依存する部分が大きく、コーナーで限界を超えてタイヤが滑った際にリカバリーがほぼ出来ない(ロード)とあって「限界がどこにあるのか」という事は、まず分らないと思っていい。ある意味、コケるかコケないかになるので「コケたから限界だった」という練習では身体がいくつあってもお金がいくらあっても足りない。あくまでも「限界付近」を知っておく事が本誌でも書かれているように「いつでも7~8割のコーナリングができる」事への余裕度を高められる。
1つや2つのコーナーだけなら速いライダーは多々います。それが複合コーナーになり、ブラインドやUターンに近いコーナー、路面が荒れたり濡れていると途端に遅くなるライダーが殆どです。それはそのコーナーを良く知っていて慣れているから上手く速く曲がれるというだけであって、そのコーナー限定になってしまっている。たぶん、何かしらの要素(道が広い、綺麗、視界が開けている、側溝が無い等々)がライダーに安心感を与えて速いスピードでも曲がる事を可能にしているのだと思う。
コーナリングはコーナーに入る手前の予測でほぼ決まるというのは、ロードよりもマウンテンバイクやシクロクロスの方が分かりやすいかもしれない。山の中のトレイルはコーナーの先はまず見えないと言ってよく、急斜面のコーナーを曲がった瞬間1メール先に巨大な倒木が道を塞いでる、車くらいの岩が落ちている、道が崩れて無くなっているといった状況は今まで多々有り、その際にどうするのか?という予測と実行力は鍛えられた。予測の引き出しの多さ、引き出しから最適解を瞬時に引き出す瞬発力、最適解を確実に実行するスキル&精神力が備わってくると、コケる事はまずなくなる。コケたとしてもコケた原因が全て理解できて、理論として説明できる。
何が起こってコケたのか理由がわからないという事は、それは限界を超えているという事でもあり「自分がどういう状態で何をしているのか、しようとしているか」という事を説明できるようになると、頭と体と心が一体化してくる。
そう言う意味でも1つのコーナーをラインを変え、スピードを変え、ブレーキングポイントを変え、重心位置を変えて何度も何度も反復練習すると1回1回のコーナリングで「なぜそうしたのか」、「なぜこうなったのか」という理由が自分の中で蓄積されていく。筋トレと同じで、動かす部分に意識を集中する事が大切で「今は何をしているのか」を常に考えて1回1回曲がる事が重要。
単純にスピードが怖いというのならば、同じ道で時速数キロずつスピードを上げていく反復かな。他には動体視力を鍛えるトレーニングは確立されているからそれで鍛えたり。
余談になるけど、私はスピードに対して鈍感というかあまり速さを感ない。自転車やスキーで時速100キロを超えても「ここで機材が壊れたら死ぬな~」ってな感じで自分がどうこうよりも機材のどうこうが気になる。たぶん、スピードが出ても周囲がハッキリ見えてどうなっているのかを理解して対応できるからなんだと思うが、不思議な事に、野球のボールとかが飛んで来るのは物凄く怖くて全く見えない。自分が速く動くのは良いのに、向こうから向かってくるのはダメ。推測だけど、自分で制御できない事に関してはダメなようで、ボールなどはその典型でワンバウンドした後に飛んでく方向なんて神のみぞ知る・・顔にブチ当たるかも・・と考えて必ず避けてしまう。
ん~~アレコレ考えすぎるのも良くないって事なのか・・・・

私が思うには、様々なショップにフラットペダルの付いたボロボロでもいいので練習用のロードレーサーが1台でもあれば、それで広場にでも行って後輪をロックして滑らせたり、ジャックナイフさせたりして、バイクの挙動を知ってもらい、バイクの上で自分が動く事の重要性を知ってもらう機会があれば、自爆して怪我をする確率が減るのではないかと思う。車だと雪国に住む人達は雪道で思いっきりブレーキ踏ませて滑る感覚とかブレーキの効きにくさを体感させる事をやったりする。それと同じ。自転車の場合は自分の高価なバイクでタイヤをロックさせるとかやりたくないですからね。
以前に私がレッスンで教えた内容として、修善寺のCSCにて左端から始めて1周毎に1Mずつラインを右に移していくというもの。走行ラインを固定する事によって同じCSCのコースが1周毎に少しずつ変化する。ヘアピンは特に難しいですね、ラインから外れて修正したりとやる事いっぱい。でもそれが凄く練習になります。応用力を養います。
こういった部分もソフトの提供という事でショップもメーカーもまだまだ需要はある気がします。

自転車にもある程度の「型」があると思うのですが、その型はロードに特化したもの、マウンテンに特化したもの、トラックに特化したもの、BMXに特化したもの、俯瞰して自転車とは?と哲学的に見た総合的なもの、奥が深い。