同じミスはするもの

2015シーズンも中盤を過ぎて残すは後半戦。

昔から実際のレースを見るのはもちろん、各選手のレースレポートを読むことが好きだ。実際のレースでの走りとレースレポートの内容とを自分勝手に分析したり、レース時の表情とレポートから読み取れる心情を合わせてみたりして、勝手に楽しんでいる。
多くの選手のレポートの中で「2度と同じミスはしない」と書かれている事がある。
私自身や、他のトッププロや、長く現役でプロとして走っている選手達に「2度同じミスをした事があるか?」と問うたならば「ある」と答えることが殆どだと思われる。これはなぜか?日本国内でレースを走っていたといしても年間に30レース、これを10年間続けたら300レース。その中で、ミスをした場面と同じシュチュエーションなんて何度も現れるだろうし、些細なミスまでカウントしていたらそれこそ頭がパンクする。例えば、ロードレースの場合、勝負所ではないからとライバルチームのエースが行ったアタックを見過ごして、結果これが勝ち逃げになった。マウンテンバイクの場合、登りで苦しいからと先頭で下りに入らず、ライバルの後ろに付いたまま下りに入り、自分だけミスってしまって3秒の差が生まれ、これがゴールまで埋まらず。こんなシュチュエーションはしょっちゅうある。私も数え切れない程ある。
根本的な考え方として「ミスはするもの」と思っていた方が良い。ミスをした場合に、最適な方法でもって最速でリカバリーする事の方がはるかに大切で、その後のレースに大きく関わってくる。これがミスをしないという事だけに拘ってしまうと、いざミスをした際にテンパってしまったり、最適なリカバリー方法が分からず更に大きくロスを生んでしまう。
そして、経験豊富のベテランがミスをしないわけではなく、ミスをした祭のリカバリーがとても上手い場合が多い。ミスをしても平然として、ライバルに悟られないようにコソっとリカバリーして、ちゃっかり復帰している。どんなスポーツでもベテランを1人入れておくと若手が安心したり、締まったりするというのはこういう事なんだと思う。こういった経験がものをいう事柄は、いくら聞いたり見たりの勉強をしても、いざミスが出た時には精神的にくるから正常な判断が出来なかったりする。とは言っても頭の片隅に知識として入っているかどうかは大切。 
「失敗から学ぶ」とはよく言ったもので、まさにこの通り。失敗をした後が重要。もちろん失敗、ミスをしないようにする事も非常に大切で、次戦に向けて傾向と対策を練る事は忘れてはならない。そのためには経験と知識が豊富で、俯瞰して見られるコーチの存在が必要不可欠。
自転車レース場合、どんなに集中して意識をしていても、物理的に動けず結果的に同じミスとなってしまう事がある。ミスをミスと捉えて躍起になるか、偶然だと捉えて冷静に対処するか。心の持ちようは大切です。