音楽を聴きながら

サイクリストなら6月1日より道路交通法の運用が改正され、自転車に対する取り締まりが強化された事は周知の通りだと思います。
そんな中、パソコン、デジタル機器を販売するエレコムより6月9日に下記のような製品が発表された。

http://www.elecom.co.jp/news/201506/lbt-esp01/index.html

運用改正直後のこの微妙な時期に、非常に考えさせられる製品ではないのかと。
私が考えるには、サイクリング中に、自車の走行音、周囲の音、緊急を知らせる音や声が聞こえない、聞こえ難い事は本当に怖い事だ。僅かな異音からのバイクの異変、異常を察知したり、周囲の音を聞いて安全の予見をしたりと、音からの情報ってのは自転車にとって無くてはならないものだと思っている。そんな重要な情報源を自ら遠ざけてしまうのは、根本的に安全を遠ざけているといっても過言ではないと思う。イヤホンではないので法には接触せず、違反ではないから問題ない。のではなく、そもそもの問題で、音楽を聞きながら自転車に乗る事によって安全がどれほど脅かされるのかどうか。サイクリストならわかると思うが、1秒の判断や動作の遅れで怪我をしたかどうかが分かれる瞬間というのがあると思う。この僅か1秒を稼げるか稼げないのかというのは、音楽を聴いていたかどうかに直接関わってくる事は無いとは言い切れない。イヤホンを使用していての自転車事故というものがニュースで取りざたされるという事は「ある」という判断をせざるを得ない。この製品はイヤホンではなくスピーカーとうたっているので耳を直接塞ぐものではないが、サイト上には「※サイクリング中は、周囲の音が聞こえなくなるような大音量で使用しないでください。」と書かれているという事は、大音量で聞いていれば周囲の音が聞こえなくなるって事を承知してしまっている。
法の隙間を突いたアイデア製品によって新たなビジネスが生まれイノベーションが進み、結果的に生活が豊かになる事も確かだ。ただ、それにはそこまで行く過程において多大な「知らない人」を生み出してしまっているのも事実だと思う。サイクリストの間ではこれだけ叫ばれた法改正だが、施行から10日経った街中を見渡してみればイヤホンをしてママチャリに乗っている人がそこら中にいる。それほど知らない人が多いって事だし、こういった製品は取り締まる警察官に対しても見間違えて誤解を生みやすいし、もし止められたならば説明するのも手間だ。ならばそもそも走りながら音楽を聴かなければ良いのでは?と短絡的な着地になってしまうが、安全を第一に考えると、こういった考えに至ってしまう。

ちょっと厳しく書いてしまったが、とにもかくにも周囲にも自分にも安全を全く脅かさずに手軽に音楽が聴けるという夢みたいな製品が生み出される事を期待している。