プロとアマチュア

先日行われた2015年全日本選手権個人タイムトライアルにて、プロではない、フルタイムワーカーの中村選手が並み居るプロ選手を押し退けて、全日本チャンピオンに輝いた。このニュースは個人的には非常に嬉しく思っている。私が思うのは、プロだけしか出られない競技や種目やリーグというものは、アマチュアとの間にあからさまな隔たりを生んでいる。プロのチームに所属しないとレースに出られない、世界一のチームや選手と戦えないというのは、アマチュアで働きながら世界を目指すという事が出来ないということ。現実的ではないが、甲子園優勝校がプロ野球チームと対戦していって勝ち進んだら面白い。国内の野球チームの頂点を決めるような大会があってもいい、皆が皆、職業としてプロを目指すわけではないのだし。自転車の場合、ツールドフランスに出たいのならば、プロツアーチームに入るなりプロコンのチームに入るなりしなければ、絶対に出場が出来ない。もし、アワーレコードで70キロ超えて走るような人類を超越した存在が現れてもアマチュアチームにいて、この先もプロになる考えが無かったのならツールドフランスを走ることは出来ない。
というのも、海外に行くとロードもマウンテンもトライアスロンもプロを凌駕する走りが出来るアマチュアライダーがそれこそゴロゴロいる。
家の都合や、危険性や、本人に他の夢があったりと理由は様々ながら、プロの道を選ばなかっただけでプロと同じ様に走れるアマチュアライダーが出場できる最高クラスのレースのレベルっていうのは物凄く高い。私がゲイリーフィッシャーのグローバルチームにいた当時に、アメリカのレースでもやはり同じようなアマチュアライダーがたくさんいて、細々したパーツ類のスポンサーは受けているがチームは地元のバイクショップのチームに所属し、普通にフルタイムワーカーとして働いて就業後と休日に練習して、レースでは私はもちろんアメリカのプロにも勝って1桁でフィニッシュするようなアマチュアライダー達がいた。そういったアマチュアライダーが世界には本当にゴロゴロ。
プロっていうのは、プロと名の付く人しか出られないレースに出るための資格というか、組織なんだと思う。マラソンでは藤原新に川内優輝が実業団という伝統の枠組みから抜け出て五輪代表、アジア大会代表になっている。プロでなくとも速くて結果を出せば評価してもらえ、世界と戦える舞台に立てる競技、種目というのは物凄い素質を持った一匹狼的なアスリートが時々現れる。逆に、プロの枠があったりチームスポーツなどは、どんなに宇宙人的な速さや強さを見せてもそのチームに入っていなければ、ビッグレースへの出場はどうしようもない。
プロリーグみたいなものがない個人スポーツでは、他の競技のメダリストからの転向や、10年に1人の逸材をそのスポーツにチャレンジさせやすい。敷居が低いというか、重要なのは本人の速さ強さのみ。逆転の発想として、プロのリーグと聞くとレベルが物凄い高いと普通は考えるが、実は誰にでもチャンスのあるこういう競技の方が実はレベルは高いのかもしれない。
以前に出場した海外の5日間のアドベンチャーレースでは、XCスキー、マウンテンバイク、水泳、トライアスロンのオリンピックに出場した選手達に、様々な種目の世界選手権やワールドカップに出場に出場していた選手がゴロゴロいるというレースに参戦したが、やはり体力もスピードも超一流のアスリートの寄せ集めなので、体力、持久力、精神力といったエンデュランス能力の世界一決定戦みたいな感じになっていた。こういった感じでどんなスポーツにも、一流の素質を持ったアスリートが手軽に高レベルで競え合えるようになってもらいたい。プロという枠が枷になっている部分が多大にあるように感じる、プロもアマチュアも同じ土俵で戦う本当の世界一と、興業としてのプロレースを別にして考えてもらえば・・・。
私は長年プロとして走ってきつつも、プロとアマチュアの垣根を無くしたいという思いがある。アマチュアが日本一、世界一になって何が悪い。プロが弱かったとしても、走りや生き様にメッセージ性があったり、ファンが沢山いたりすればプロとして生きていかれる。プロってそういうもんじゃない?でもチームスポーツではそれすら難しいか。。。。
プロをギャフンと言わせたいアマチュアアスリートを応援します!!