ダンシングについて

ダンシングについて。
ちなみに日本では「立ちこぎ」の事をダンシングと言いますが、世界的にはスタンディングじゃないと通じません。ダンシングと言ったら「踊るように?」と取られます。でもここは日本なので、とりあえずダンシングと書きます。

ダンシングにはライダー各々のフォームやリズムがあって、平地と登り、回転数、ダッシュなのか巡行なのか、リフレッシュの為か、で色々と変わってくる。
とても下手な絵で恐縮だが、だいたいこの6通りのダンシングに別れるのではないか?

①バイクだけ倒す。上半身は倒れない、ハンドルとバイクが一直線上。
②ハンドルを左右に切る。上半身は倒れない、バイクは倒れずハンドルが左右に切れる。

バイク

③上半身が左右に倒れる。バイクは真っすぐのまま。
④頭だけが左右に倒れる。③の振り幅が小さいバージョン。

頭

⑤バイクと上半身が左右別に倒れる。上半身が右に倒れてる時はバイクは左に倒れる。
⑥ハンドルが切れバイクも倒れる。ハンドルが右に切れてる時にバイクは左に倒れる。

バイク上半身

ダンシングはバイクの素材や剛性やジオメトリによって少しずつ変化しているように思う1990年代のスチールからアルミになった時代と、現代のカーボンで高剛性のバイクとでは、プロライダーを全体的に見るとダンシングでの回転数が上がっているように感じる。BBのウィップが速くなった事が考えられるし、踏みつけるようなペダリングでもバイクは反応してくれてロス無く進むので、ウィップやしなりを気にしなくていいって事かもしれない。パンターニやランスといった当時では飛び抜けた走りをするライダーもいたが、現代ではそれに近い走りをプロが全体的にするようになっている。

正解というものは無いのだろうが、プロやそれに近いライダーの傾向というものは見ていてわかってくる。とはいっても、ロードレースの大半はL3~L4のテンポからメディオの域なので、この域でのダンシングと、ソリアからダッシュやスプリントでのダンシングは変わってきて当然で、その違いを自分でちゃんと理解して、感じ取れているのかどうかが大切。
長い登りをたんたんと登る中でのダンシング、高出力を出すダンシング、イッパイイッパイで必死なダンシングとかシュチュエーションによって自分でも気が付いていない事が多い。まだ元気な時は①のダンシングだが、イッパイになるとハンドルにしがみついて②になったり、回転数が落ちて⑤になったり。

ダンシングで話題に上がる筆頭はコンタドールだろうか、②と⑥のダンシングをしている事が多く、非常にリズミカルで正に日本でいうダンシング(踊るよう)。日本の一般ライダーでもハンドルを左右に切りながらダンシングをするライダーは多くいるが、その多くが走行ラインが大きくブレている事があり、実は危険。特に1人でひたすらヒルクライムの練習をしているライダーは走行ラインが左右にブレていても誰にも迷惑が掛からないので、知らず知らずのうちに蛇行に近いような走りになってしまう場合がある。常に密集した集団で走っているならば走行ラインがブレない走りが身に付いていて、ハンドルが切れても自分の肩幅の中で動いているだけだったりするので周囲のライダーに恐怖心を与えない。ハンドルを切って走るってことは厳密には走行距離が伸びるので、自分の走りやすさと天秤にかけた場合、どちらが速いかは各々で計ってもらうしかないだろう。
私が個人的に感じるのは①のダンシングがバイクがロス無く進むという点では一番効率的だと思う。ロードでは感じにくいが、MTBの場合、滑りやすい路面で②や③のダンシングをするとタイヤが滑ってしまう。って事はトラクションの効き方に関わってくるので、タイヤで路面をしっかり押し付けるという点ではロードでもペダリングパワーがロス無く伝わる事になるが、その分、タイヤが潰れて重さを感じるかもしれない。ロードの場合どちらが良いのかは不明だが、明らかにダメなのは前輪加重になり過ぎる事。足がイッパイになって少しでも自分の体重を抜いてやろうとハンドルに体重を載せてのダンシングは、前輪のタイヤはもちろん、フォークやハンドルがしなってしまう事により大きな逃げが出る。前後輪に均等に近い配分のポジションになる事が大切。ブレーキングで考えると解るが、急ブレーキでは腹がサドルに乗るくらいに腰を引くと後輪へのトラクションが増えてブレーキが効きやすくなる。前輪加重にするって事はこれを行っていると同じ事なので、かなりのロスが出ている。しかし足がイッパイでどうしようもない時はなってしまいますね。。。。

ダンシングもシュチュエーションによって使い分け、練習でもただ単にダンシングをするのではなく、練習内容やレースのどの場面を想定しているのかって事を少しだけ考えて、実践するだけで本番では無駄な動きが少し減ると思います。