細かなスキル

10月は色々とイベントがありすぎて、日記で全く追いかけられていないのですが、まずは先日に幕張で行われた「スターライト幕張」の事でも。

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クロスカントリーエリミネーター(XCE)のレースが日本で初開催。しかもナイター!
XCEとはクロスカントリーやクロスと違い、短時間決選(数分)のため一瞬も気が抜けないレース展開で、瞬発力、持久力、テクニック、戦略が求められる。スタートからゴールまでを数分でゴールできる距離及び斜度のコース設定。距離にすると500m~1km(勾配による)。舗装路でもオフロードでも可、ジャンプや階段降りなどを含んでも可。出走は4~6名が横1列でスタートし、半数が勝ち抜き。今回は決勝まで4レースが行われた。勝ち抜いていった場合、準決勝を終えてから決勝レースのスタートまでの時間は5分程。インターバルがどんどん短くなるので回復力、そして持久力が必然と必要となる。勝ち上がる為に全力を出し切ったとしても、5分後には無情にも更に強力なメンツとのレースが始まるので、酸欠で頭がズキズキ、乳酸で足がカクカクとしか動かない状態での走りが試されるのがエリミネーター。

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2012年からUCIの正式種目に組み込まれ、ワールドカップでもフルラウンドで開催されるようになり、2014年はレース数が増えて
第1戦オーストラリア
第2戦チェコのノヴォ・メスト・ナ・モラベ
第3戦ドイツのアルプシュタット
第4戦カナダのモンサンタン山
第5戦アメリカのウィンダム山
第6戦フランスのメリベル
第7戦ノルウェーのハーフィエル
でクロスカントリーエリミネーターが行われ、世界選手権でも行われた。

そんなXCEがサイクルモードのナイターで開催とあって、すぐにエントリー。
そしてエントリーリストを見たら、プロがたくさん・・・って私もプロの端くれですが、XCEのようなハイスピードで速筋使いまくって乳酸ドバドバで酸欠万歳ってな走りはXTERRAにシフトしてからはほとんど行わないので、「決勝まで進めたらいいな~」という思いで予選からスタート。レース時間は3分くらい、ナイターなので所々が暗くて見えないけど、それは手足から伝わってくる路面インフォメーションで瞬時に判断して後手の対応。リカバリーがいかに上手いかってのも試される。準々決勝で位置取りに失敗して、捲って行くスプリントになってしまって若干焦ったものの何とか準決勝進出。準決勝では余裕を持って走る余裕は無く、一瞬の隙で順位を引っくり返されるので隙を作らない、抜かそうとする考えを持たせない走りをして目標であった決勝進出。
プロに若手の活きの良いライダーにベテランライダーと役者は様々。
この中でもジャイアントの門田選手、メリダの小野寺選手が強敵。この2人を徹底マーク。私はスタートは毎回先頭で入れるくらいに上手いので、決勝もスタートは先頭で出てから門田選手の後ろを取った、ホームストレートは若干のアゲンストなのでスリップを使って足を貯めた、その後に門田選手が1500ワットを出せる足で鬼引き!この引きで私とその後ろの小野寺選手に絞られ、後続は若干離れた。ダートに入ってからも暗くて見えない中をギリギリに攻めているので、コーナーでタイヤがズルズルに滑っていくが、ペダリングを止めるとその一瞬で出来る30CMとかの差が埋まらないので、滑りながらペダリングをするスキルも必要だった。小野寺選手も後ろにピタリと付いて離れない、3人でホームストレートに出た。門田選手は最初から引きまくってくれたお陰でスプリントに入った瞬間のスピードに伸びが無かったので、最大限にスリップを使いながら抜きに掛かり先頭に出た。残りは100M程。左右の視界に小野寺選手は入っていないのでこのまま突き進むしかない!とゴールめがけて踏み倒すも残り50M程で右からメリダのウエアが現れたと同時に並ばれ、僅かに先行された。もう一度踏み直して抜き返そうとしたがもうイッパイイッパイで全く伸びず、僅か20CM程の差で負けて2位。

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何年ぶりかにスプリント勝負をして大興奮。アドレナリンがドバドバ出ましたね。足も膝が笑うってこういう事か!ってくらいにガクガクになり、立っていられなかった程。モガいてなくてもモガけるが、その後が大変・・・。

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この写真は準決勝での1枚。
アゲンストのホームストレートです。選手達のフォームを見て分かる通り、ハイスピードではなかったのでアップライトなフォームを取っている中で、一番後ろにいる私だけクラウチングしています(赤矢印)。青のウエアの向こう側の選手のスリップに入っています。このホームストレートは10秒ほどで、この先は曲がりながらブレーキングして土手に上がります。ホームストレートに入って巡行スピードになっている5秒ほどの間にも足を貯めるためにクラウチングして足を止めています。この5秒の貯めが後のスプリント、決勝での足の残り具合に関係してきます。準々決勝でも決勝でも同じくスリップに入ってクラウチングして足を貯めました。この際にもギアは最速で加速できるギアに入れてあります。
些細な事だけど、正確に確実に行えば物凄い効果を発揮するのが他力本願。
他の選手を最大限に使い、自分が強い部分までじっと我慢して、強い部分では自信持って強引に行く。こういった駆け引きがロードレースやXCEの醍醐味。もちろん根本的な足があって、同じようなレベルの中で競う場合ですが。今回も他のクラスの走りを見ていましたが、やはりバカ正直な走りをする選手が多いです。力で捩じ伏せるってのは圧倒的な差がないとできませんから。駆け引きはいかに自分のエゴを通すか、自分のパターンに持っていくか、周りの選手を巻き込めるか、だと思う。
スタートする際に、ギアの選択だけではなく、クランクの位置も重要になってきますし、路面が芝なのか、舗装なのか、向かい風か、横風か、によって重心の位置や踏み込む方向を若干変えるスキルも要ります。でもここまでの細かな部分って本や文章では伝わらないし、ある程度の経験がないと全く理解ができないと思う。でも、凄く重要な部分。365日ペダルを踏んでいても、こういった瞬間的な動作って意識して集中して身体に擦り込んでいかないと、いざっていう瞬間には出来ない。反射というか本能というか嗅覚というか空気感というか、そういったモノを感じ取って反応出来るような選手ってやっぱり勝負強い。
ただペダルを踏んでいるだけでは到達できない部分が自転車には沢山ある。
そんな部分を教えられるコーチが沢山出てくると、もっとレースが面白くなります!