自転車乗りが陥りやすい事。

ここのところ、この記事を読んでなのか「炭水化物は少なくていいのですか?」という質問をよく受ける。
http://bikejournal.jp/main/?p=7710

私はの返答は「あなたはプロツアーの選手ですか!?」と。
ツールやジロで3週間毎日4時間もレースするプロと同じ内容の食事をする意味を逆に問うと「・・ん~・・」と言葉に詰まってしまう。プロの真似をしたい、その気になりたいのは良く解る。しかし残念な事に全く生活リズムが違い、レース内容も違う世界の事を真似したところで身になる量などたかが知れている。「通勤で毎日往復60K、土日は200K走っている」とはワケが違う。

一般人が出場するレースはまず土日開催。土日といっても2日間走るレースはまれで、多くは1日だ。合宿を組んだとしても2泊3日が多く、3泊以上の合宿は学生やプロたま(プロを目指す卵)じゃないとそうそうは組めない。プロツアーの選手と同じ生活リズムは無理だし、レースも無理。となると真似てプラスになる部分を良く考えないと「プロっぽい事を真似て悦に入る」という事態になりかねない。こういった事ってMTBではエキスパートクラス、ロードではE1の選手に多く、自分の中の琴線に触れてしまったのか脇道といえる部分に注力してしまって根本の部分を鍛えて伸ばす事を疎かにしてしまっている。アスリートってもんは変に頑固なものだから信じたものは間違っていたとしても出家した信者のようにハマってしまう。ランニングの世界でナチュラルランニングというジャンルが流行っているが(裸足で走った時の様な自然な走り方)、ハマっている人の話を聞くとナチュラルって呼称なのに、あれはダメこれもダメこうしないといけない!と全然ナチュラルじゃない・・・。

アイアンマン等のトップでも8時間掛かるロングのトライアスロン、トップで20時間を超える100マイル走るトレイルラン等のロングのプロ選手でも炭水化物を大量に摂取して走る選手もいれば、低炭水化物で脂肪をエネルギーとして走る選手が混在する。トップで2時間少し、4~5時間がボリュームゾーンのフルマラソンでは多くの話を聞いてきた感じでは普段から炭水化物を食べ、カーボローディングを行っているランナーが多い。何故か自転車をやっている人ってのは自転車だけを特別視というか、他のスポーツとはちょっと違う視点で捉えることが多い。確かに3週間走り続けるレースがあるのは自転車だけかもしれないが、それはプロでも200人に満たない選手での話であって、多くのプロは数日間のステージレース。この200人だけをみて「自転車レースは~」と語ってしまうから色々と捻じ曲がった世界観みたいなもんが作られていく。トライアスロンやMTBやマラソンは基本的に土日開催で、競技内容や距離等のフォーマットが一般人もプロもほぼ変わらない。全く違う世界の自転車のプロツアーと比べると、随分と身近というか真似をしてプラスに変えられる要素があると思う。
あ~書き疲れた・・・。

私は無駄な炭水化物は食べてはいない。動いた後には多く取るようにしている。
今の生活リズムは、朝食にパンを1斤、午前か午後にバイクかランを行って昼食は炭水化物を含んだ大盛りではない普通の量の食事、夜は水泳で20~21時から始まるクラスに週に2~3回行き、プールを出るのが22時30分頃、帰りにラーメン屋で大盛りラーメンと餃子、帰宅してビール飲んで24時に寝る。という流れ。プールに行かない日は夕食では炭水化物は取らず、肉中心のおかずを沢山食べる。レース前はカーボローディングは意識的に行っていない。私が走るレースは長くて3時間、王滝でたまに5時間のレースがあるものの、それはマジではないので5時間持つ練習はしてはいない。3時間のレースでは朝食にお椀一杯のシリアルに少しのパン、スタート前に2個ほどジェルを取って残りはレース中にジェルやドリンクからエネルギーを得ている。ロードレースの3時間とエクステラやMTBレースの3時間では消費していくカロリーがかなり違い、今まで取ってきたデータでは同じ時間ではロードに比べてオフロード系は1.5倍以上のカロリーを消費している。路面からのインパクト(衝撃)を受け止める上半身の消費は心拍数には現れないので実際は更に差があると思われる。私の場合は3時間のレースでだいたい3000キロカロリーを超える消費があると良いレースが出来た証拠で、単純に1時間に1000キロカロリー。想定するゴールタイム分の貯蔵グリコーゲンとレース中に摂取するカロリーをしっかりと計算して食事と補給をする。平坦基調のロードレースのステージで集団内で付き位置で何もせずにゴールする消化するだけの3時間と、スタートからゴールまでの平均心拍数がMAXの90%で走ったMTBレースでは同じ3時間でも消費が全く違ってくる。この辺は普段の練習から経験を積んで自分のタイプを知っておかないといけない。そして混乱させるのが高心拍数で走る種目だから炭水化物(糖質)をメインで使って走るのが良いわけではなく、クロスのように1時間モガキっぱなしのレースでも低炭水化物で脂肪で走っている選手もいる。選手によってはレース前夜の夕食で肉を沢山食べ、脂肪分を多く蓄えて翌日のレースでは夕食で取った脂肪のカロリーで走るって選手も結構いる。焼肉を食べた翌日の長距離では腹が空きにくかったという経験がある人も多いでしょう。

正解は無い。その人に合うか合わないか。自分の行っているスポーツと同じ性質の延長線上にいるトップの真似は良いかもしれないが、性質の違う所を真似てもよほど耐性がなければ壊れてしまうだけ。1年間だけ強かったとかいう選手に多く、やはり精神的に持たずに2~3年でプロやトップレベルから消えていく。
自転車乗りのダメな所は「自転車乗り=特別」だと勘違いしちゃう所で、いきなりピラミッドの頂点を見るのではなく先ずはどのスポーツでも通用するようなアスリートとしての根本的な事を手に入れて欲しい。