梅雨のトレーニング

梅雨明けが待ち遠しい競技志向のサイクリスト、「雨だからローラー」ならまだいいものの、「雨だから休み」では一向に強くならないばかりか、冬に乗り込んで上げてきた持久力が一気に落ちてしまうのがこの梅雨の時期である。
1日ずっと雨なら諦めがつくものの、降ったり止んだりの細切れの雨というのは集中力も切れやすいし、走っていて気持ちの良いものではない。
そんな日はローラー台で短時間で高強度のメニューを組むライダーが多い。これはこれで正解で、1時間と決めて集中して行えば、晴れの日に屋外で気ままに走るよりもしっかり追い込める場合もあるので「雨だからローラー」ではなく、「ローラーで集中して練習」と考え方を切り替えるだけで効果が変わってくる。
筋トレと同じで、動かしている部分をしっかり意識するかしないか。常にポジティブに。

そしてメニューといえば短時間で行えるインターバルかミディアム走、ペダリングのスキル的な事が多いだろう。ここで私が行っているインターバルを紹介しよう。

多くのライダーがインターバルで行う内容というのが、例えば「30秒ダッシュ→30秒イージーX10本」とか「3分心拍数MAXの95%→5分イージーX5本」とか時間や強度はそれぞれだろうが大体こんな内容だろう。私が行うインターバルはイージーの部分を休み過ぎない、落とし過ぎない。
30秒イージーの場合は100回転以上をキープする、5分イージーの場合は心拍数MAX80%をキープする。
イージーでもある程度の負荷を与えるという事。完全に足を止めて休んだり、インナーローのギアで止まりそうな速度で休むのではなく、回転数を落とし過ぎない、心拍数を落とし過ぎないって事がミソ。これはレースに直結する事で、乳酸をある程度の負荷が掛った状態で代謝するって事が狙い。
レースではアタックしたり激坂を全力で登っても、ゴールするまではライバル達が波状に攻撃して来たり、ペースが落ちずに再度アタックがかかったり激坂が現れる。
レースではこうした場面ばかりなので、練習でも同じ様な内容で行わないと、レース中のもがいた後に「足を止めて少し休ませてくれ」と言わないといけなくなってしまう。

これは陸上の長距離ではお馴染みの事。例えば「1000m(3分30秒で走る)→つなぎ(←イージーの事でジョグ)400m(3分で走る)X5本」というメニュー、これを5本出来る様になったら1000mを3分20秒に上げて行う事もあれば、つなぎを2分30秒にしたり、200m(90秒)に距離を短くする事もある。
これによって回復が追い付いていない状態で2本目、3本目と入って行く事になる。短時間だったり、ある程度の負荷で乳酸を代謝させながら走れるようになるために。
長距離では有酸素域でいかに高いスピードで走り続けられるかが重要になる、無酸素でのMAXスピードも重要だが、レースではそこまで至る前に苦しくなってしまうものだ。
つなぎが短く速くなれば、より実戦のレースに近い内容になってくる。競泳で聞いた事のある話では、競泳では壁にタッチしたら止まって休んで次の○本目に出て行く事が普通というか、この方法でしか行いようが無いかと思ったら、長距離のグループでは壁にタッチしたら立ち泳ぎして完全に休まない状況を作り出して次の○本目に出て行くと言う。これによって乳酸を動きながら代謝する能力が高まるようだ。競泳ではもともと休憩時間が短い、例えば「100m30本1分20秒サークル」の場合は1分5秒や1分15秒で泳いできて、15秒や5秒休んで2本目3本目に出て行く。壁にタッチした瞬間に時計を見て泳いだタイムを確認し、次に出て行くタイムをそのまま凝視している。

自転車と陸上と競泳では筋肉の使い方や負荷の掛り方が大きく違うので、自転車で1分ダッシュ→イージー10秒X30本とかだったら2本目ですでに青息吐息、3本目ではもはやダッシュなど出来ずLSD並みのパワーしか出ない、4本目で止めるか降りる。
この辺りのさじ加減は経験を積むか、コーチに指導してもらうのが良いだろう。

そして私がお勧めするインターバルの紹介(←やっとだよ)。
「5分心拍数MAXの93~95%→10分心拍数80~85%→5分心拍数MAXの93~95%・・・」5分と10分を合わせて1セットと考え、4セット続けて行って1時間。
5分間のレースペースで出た乳酸を10分間のミディアム走で代謝させるのが狙い。これが辛ければ最初は3分と12分で行うとか、5分と15分で行うといい。
簡単に出来てしまうのなら5分と5分とか、10分と5分でもOK。とはいえ狙いが乳酸をある程度の負荷で代謝させるのが狙いなので、出来るからといって1時間ずっと追い込み続けては意味が無い。狙いから外れてしまう。
または「1分ダッシュ→4分軽いギアで高回転X12本」では足が乳酸でパンパンになっている状態でも高回転で回せられる足を作れる。
メニューはどうとでも組んで良い、実戦に近いとか、乳酸代謝能力が向上するとか、目的や狙いによって時間や本数や強度は自在に。

同じインターバルでも、1本目から出し切って追い込んで本数を追う事に動きが鈍って行くのか、最後の1本に向かって上げて行くのか、最後まで一定なのか、同じ時間と本数を行うにしても、その目的や狙いを意識して忠実に行う事で段階的に踏力は向上して行く。