体幹と腹式呼吸

体幹という言葉、そしてスポーツにおいてその重要性は知れ渡ってかなり一般的になり、トレーニングも浸透してきていると思う。腹式呼吸という言葉も同じ様に聞いた事があり、必要だという事が知れ渡っていると思う。

そこから先、体幹と腹式呼吸がセットになっているという事を説明している本やWEBは非常に稀というか、本では数度しか見た事がない。体幹を使えるようになるのは結構簡単、腹式呼吸が出来るようになるのも結構簡単、この2つを合わせ、そして追い込んでいる時でも同じ様に出来るようになるのはかなり難しい。
体幹を使って動く時に、相当な経験がないと腹筋を縮める方向に固めたりしてしまい、腹式呼吸で腹が膨らんだりへこんだりするのを邪魔してしまう。
または腹式呼吸を意識するあまり、体幹が抜けて上半身がブレたり腕や肩に余分な力が入ってしまう事がある。お互いを邪魔する事無く両方を効果的に行う事はかなりのトレーニングが要る事が多く、コツを掴むまで時間が掛る事が多い。しかし自然にこれが出来る人もいる。

海外のトップライダーのライディングを横から撮った際の写真を見て腹回りを「太い」と感じた事がある方も多いだろう、樽の様に膨らんだ体幹部分。もちろんだが筋肉や脂肪や骨ではない。確かに筋肉量は多いが、ウエア正面のロゴが真横から見えるほどまでの筋肉は付かない。これは体幹を使いながら腹式呼吸が出来ている典型的な例で、たまに体幹が抜けている瞬間に撮られたものは同じ日のレースで同じライダーとはとても思えないくらいに
細く見える事もある。とはいえ、強いライダーが全員そうなのかというとそうではなく、「ガリ?」と言いたくなるような横から見るとペラペラなライダーもいたりする。
太くなる傾向としてはパンチャーやルーラータイプのライダーに多いだろうか、トライアスロンではショートよりロングの選手の方が太い傾向にあり、「独走力=太い」という図式が成り立つのかもしれない。マウンテンバクでも両方のライダーが混在しており、ニノ・シューター、ジュリアン・アブサロン等はガチムチ系の全身マッスル。
体幹が細くても速い、太くても遅いというトップライダーでも様々なので、一概に体幹が育っていれば良いというものではないかもしれないが、先日のアムステルゴールドで24位でフィニッシュした新城選手なんかは明らかにずん胴で一見して「デブ?」と言いたくなるように見える。私個人が考えるには、こういった体幹が太い特徴のあるライダーはバイクを扱うスキルも高いように見える。四肢が緊張せず最低限の力で支えているので路面が悪い場合もリニアに上手く合わせたり、バランス取って落車しにくいと思う。

写真はプロカメラマンの山中基嘉さんによるアスリートの筋肉を題材にした作品「BODY」から。

お腹を横から撮った写真では、腹式呼吸にて横隔膜が下がって腹が妊婦の様に出ている事が分かる。その上で腹筋が6個に割れて浮き上がっているので、腹筋に力を入れつつも腹式呼吸の妨げになっていないという1枚。これは撮影の為に体幹というより表層筋に力を入れているので6個に割れているので、実際の運動時はこういった使い方はしないが、表層筋に力を入れつつ腹式呼吸で横隔膜が下げられれば、体幹である深層筋(インナーマッスル)を意識しながら横隔膜を下げる腹式呼吸も出来る。
腹が出ているとはいっても、腰を反らして突き出しているわけではなく、寝た状態で腰が床にベッタリ付いたまま腹を膨らましても同じ様になる。

次は息を吐き切った状態のウエストがへこみまくった状態のをお見せしたかったが、その写真は撮っておらず。
それに近いのがこの写真。

肋骨から下が急激にへこんでいる。パンツの圧力ではなく、ちょうど呼吸をした時に撮ったものと思われる。自然な呼吸でもここまでへこむので、思いっ切りへこますとモデル顔負けな細いウエストになる。これだけ腹が出たりへこんだりするのでパンツはビブが楽で呼吸がしやすいのは言うまでも無い。

筋肉が張っていたり、疲れて縮まっている時などにちゃんとした腹式呼吸を繰り返すと面白いように身体が緩んでいく。サドルが高く感じるような時に繰り返すと縮まっていた筋肉が伸びだし、大きな動きが出てくる。ウォーミングアップを長くやったりストレッチしても良い動きが出ない場合に腹式呼吸を薦めたい。
腹式呼吸といっても私はちゃんと学んだ事がないので細かい事は分からないが、良い感じで出来ていると息を吸っても吐いても腹をへこましたままとか、膨らましたままで深い呼吸が出来るようになった。これが正しいのかどうかは判らないが、ヨガとか太極拳ではこういった呼吸もすると聞いた事がある。
「キツイ時は息を吐け」とはどんなスポーツでも言われるが、吸うのは簡単でも吐くのって実は難しい。吐くには筋肉を使うからそこが鍛えられていないと吐けない。呼吸筋を鍛える器具もにわかに活気づいてきているが、昔ながらに風船を膨らますとかでも十分に鍛えられるだろう。
漁師で子供の頃から海に潜っていたとか、金管楽器をやっていたとか、腹式呼吸が基本になっている事をしていない限り、意識を持って呼吸というものをなかなかしないと思う。

という事で私もニワカな知識しかないので浅い記事でしたが、体幹と腹式呼吸を組み合わせて行うって事が大事って事です。