厳しい事を言いますが。

自転車に限らず、ランニングでも水泳でも、ある域に達してそのスポーツの理というか、究極に近い部分まで知っている&知っていた人は往々にして「練習時間が短くてもそれなりに動ける」というものがある。これは体力が落ちていても、動きが正確で精度が高いからで、体力をスキルでカバーしているに他ならない。

では、その域まで身体と脳を持っていくにはどうしたら良いのか?やはり日々の鍛錬しかないと思う。その鍛錬も、集中して正確な動きを身体と脳に叩き込むのがやはり道筋だろう。
ダラダラと5時間走って覚えるか、1時間超集中して覚えるか。仕事を持ちながらも専業プロに勝ってやろうぐらいの気持ちで走っているライダーの多くは後者で、日々の1時間とかの中で体力とスキルの両方を得ようと鍛錬していると思う。
ここで「それは違うでしょ?」って思う事がある。以前はプロだったり、それに近い環境で走る事だけで良い生活だったライダーが引退?して、仕事をしながら走る人ライダーになって、もちろん脚があるからレースではそこそこ走れるし強い、そこで自分の事を「ホビーレーサー」と言ってしまう事に「それは違うでしょ?」と。
走る事だけに専念できた期間が1年間だけでもあれば、ハッキリ言って途方も無い程の体力やスキルの経験を積める。仕事を持ちながら走る並みの人が10年掛って得るようなモノを1年で得ると思う。
そういった期間を過ごしているのにも係わらず、「ホビーレーサーなので練習は・・・・」と説明しても何の説得力も無い。
高校や大学の部活で頑張り、全国大会に出場していたってのもほぼ同じような感じだろうか。学生時代にたいしてスポーツをせずに、二十歳過ぎてから仕事をしながら走り始めたっていうライダーと元プロや全国大会出場っていうライダーが同じホビーライダーと呼べるわけがない。強いホビーライダーと言われる人のバックグラウンドが完全なホビーならそれは本当に凄い事だ。しかし元プロや全国大会出場という経歴があったなら元プロ、全国大会出場と言って欲しい。
完全なホビーとバックグラウンドがあるのとではそれほどにまで違う。

ぶっちゃけて言うと、僕も10代後半から走っていれば良いだけの生活をしているが、もしこれが仕事を持ちながら走ってきたならば、今の知識は無いと思う。また、同じような成績は残せてこれなかったと思う。近年では様々な情報がネットに流れているので、昔ならプロだけが知りえるポイントとかが結構あったけど、今は知識なら誰でも頭に入れられるので、その知識を基に鍛錬ができ、身体的な資質が高い人ならば調子の悪いプロに勝つようなレベルまでになったりもする。

こういった事を感じてしまう背景には、プロというものの線引きが非常に曖昧な点がある。ここ数年で国内のロードチームがポンポン誕生し、「○○プロチーム」というような「プロ」という名前をチーム名に入れていたりするが、選手の実情はバイトをしているライダーが非常に多くいる。プロ野球選手もプロサッカー選手もバイトはしないよね。
最低年俸も決められていなければ、保険も補償も何も無い。こういった中で「プロなんだから成績を出せ」と言われても結構辛いものがある。
しかしこれはマイナースポーツの宿命というかグレーゾーンで、食えるか食えないかのどちらかの0か100かに出来ないから、お小遣い程度の契約金と物品サポートとレースでのサポートという形になってしまう。こういった現状には良いも悪いも無いと思っている、しょうがない部分が多分にあるから。
ここで重要なのは選手の意識なんだと思う。例えばヘルメット1個のサポートを得た時点ですでに「ホビーではない」のだ。「1個もらったくらいだから~~」って言うライダーが実に多い。
その1個には様々な人の手を渡る時間とお金が掛っている事を考えると、そのライダーに課せられる責務は重大だ。
何かしらのサポートを受けているのに自身を「ホビーライダー」と呼ぶライダーもいるが、ハッキリ言って「小学生からやり直してこい」。
○○プロチームに所属し、レースでの成績を求められながらも食えないので働いているプロと呼ばれるライダーと、働きながら真剣に走り、物品サポートも受けているライダーは、プロフィールを書く場合に自分のプライオリティの何が最初に来るのかの違いであるだけに思う。何か1個でもサポートされればそれは即ち「プロ」だという意識を持って欲しい。

こんな厳しく書いたのは、人と会う事が多い師走、様々な話が耳に入ってきて、あまりにも甘く考えている人が多かったので。