XTERRA世界選手権レポート

大会名・・XTERRA世界選手権
場所・・マウイ島/アメリカ
日時・・10月28日
天候・・晴れ

使用機材
・フレーム・・MERIDA ビッグナインカーボンチーム
・ホイル・・MAVIC 29クロスマックスSLR
・タイヤ・・IRC F&R ミトスXC2.1、1.8気圧
・ハンドル・・TIOGA カーボフラット318
・サドル・・TIOGA ツインテール
・グリップ・・ERGON GS1
・バイクシューズ・・MAVIC フーリーXC
・ランシューズ・・SALOMON SーLAB SENSE
・サングラス・・SWANS ガルウィング イエローレンズ
・ゴーグル・・SWANS SRX-M ピンクレンズ
・ヘルメット・・GIRO エイオン
・ドリンク・・シトリック
・ドリンク・・エレクトロライトショッツ(電解質補給)
・補給・・VESPA ハイパー3個
・補給・・SHOTZ 5個
・オイル・・フィニッシュライン セラミックウェットルブ
・SEV アスリートデバイス
・心拍計・・SUUNTO アンビット&t6c
・バッグ・・CRUMPLER
・インソール・・SIDAS バイクプラス
・ニューハレ

日本チャンピオンを獲得しながらも、費用の問題で参戦が叶わないでいたエクステラ世界選手権。
今年はエクステラ日本選手権にハワイアン航空がスポンサーに付き、優勝の副賞でマウイ往復の航空券がプレゼントされて数年ぶりに世界戦への参戦が叶った。
今年は身体の仕上がりが良く、MTBレースでも良い感じで走れて、スイムのタイムもどんどんと上がっていたし、賞金が10万ドルと高額で、自身でも世界戦は楽しみであった。

レース1週間前という早い段階での現地入り。体調を万全に整えてのレースを目論んでいたが、何とも情けなく、水曜から風邪の症状が出て寝込んでしまった。
一人旅だったのでご飯を食べるのも大変で、フラフラしながら買い物に行って、とりあえず腹に詰め込んで帰って寝る、という過ごし方。
金曜になり、レース会場近くのコンドミニアムに移動。一緒にステイする仲間が車で荷物をピックアップしてくれ、自分は自走で宿に向かった。宿までの道のりがとてもハードで、ゆっくり走るものの体調が悪い中での自走だったので宿に着いたら出し切った感じになってしまい、抜け殻状態。とにかく栄養のあるものとサプリメントを腹に詰め込み、回復を願った。
レース前日の土曜日。受付をしないといけないので会場までの5分を自転車で行ったが、それだけで苦痛で仕方がなかった。すぐに宿に戻ってひたすら寝た。試走は皆無、試走をしないなんてありえない事だが、試走した選手からコースの感じをひたすら聞いて、今までの経験と照らし合わせてイメージ。
夜になるとカナダの地震の影響で津波警報が出され、海辺のリゾート地だったのでけたたましくサイレンが鳴り響き、強制の避難勧告が出されたが僕は動ける体調でもなかったし、動く気力も無かった。
もう、なるようにしかならないので、ビールを1本開けた。美味しいはずのビールがとても苦くて不味い。そのまま就寝。

レース当日。
だいぶスッキリしている。身体は引きずるような重さがあるものの気分は良い。何だか走りたい気分。
スイム1.5キロ、バイク30キロ、ラン10キロのスタンダードな距離だが、バイクの獲得標高がかなりあって1700Mほどで、平地は皆無。
今年からはプロとエイジが1分差でスタートする事になり、バトルは緩和されるものの海外のレースはスイムの速いエイジが多いので抜かれるのは結構ショックが大きい。
スイム会場のビーチは普段はサーフィンのスポットということもあり波が高く、普段は穏やかな海でしか泳がない選手はかなりビビっていたが、これがエクステラ!前日の試泳からすでに波に飲まれて洗濯機状態にグルグル回って海底に頭を打ったり足を打ったりして怪我をしてゴーグルを無くしたりする選手がかなりいたようだ。
そしてプロがスタート。高波が身体を押し戻してくるが、ドルフィンで波の中間を突き刺すように突破していく。
沖に出ると今度は大きなうねり。50センチ横にいる左右の選手が全く見えなくなるくらいにチョッピー。しかも大きくピッチが速いチョッピーなのでかなり大きいブイが浮いているはずなのに見えないことが多くヘッドアップで確認する回数が多かった。波と共にたまにくる流れで一瞬で泳いでいる方向が50度くらい変わってしまうこともあり、ヘッドアップでの方向確認が全て。
普通ならドラフティングがかなり効くスイムだが、今日ばかりは選手はバラバラ、散り散りになって木の葉のように波に翻弄されて泳いでいる。ふと下を見るとウミガメが悠然と横切っていく・・・小さい腕?ヒレ?をゆっくり動かしているだけで凄いスピードだ、亀を掴まえて浦島になりたいと考えてしまった。
全然いい泳ぎが出来ぬままスイムアップ、115位。トランジットまでの300Mの登りのランで全く持ってスピードが出ない、歩くような速度でエイジの選手にも抜かれる始末。

バイクスタート。
乾燥した大地は登り勝負!パワー勝負!体力勝負!とにかく登りまくる、そして斜度がキツイ。昨日まで寝ていた身体はいきなりのハードワークに悲鳴を上げて動かなくなった。5分ほど走った地点でバイクを降りて深呼吸、水を飲んで落ち着くのを待った。時計でちょうど2分、やっとイケる状態になったので徐々に回転を上げ、ギアを上げ、スピードを上げていった。
その矢先の最初のシングルトラックの下りで突っ込んでコーナーに入りすぎていきなり落車。試走をしていなかったツケ、しばしボー然としてしまったが顔を叩いて気を取り直し、リズムを崩さないようにペダリングし、ブレーキングは丁寧に、そして先々を見ていくように顔を上げて・・といつも生徒に教えている事を自戒するように守って走ると、立ち止まっている間に抜いていった選手を抜き返し、前を追う。しかし登りが続く、2X10速ギアのインナーロー(一番軽いギア)をかなり多用する。路面なカラッカラに乾き、砂埃が視界を奪い喉を枯らす、汗は茶色に染まり口の中は粉っぽい。やっと頂上だと思われる地点からの豪快なダウンヒル、ハイスピードで駆け下ったかと思ったら再度登り返す。
目眩を覚えるような登りの長さと連続に後半はヨレヨレになってきてしまい、ギアも軽くなり回転数も落ちた。それでも抜かれることは無いが、前のライダーに追い付くのは難しい。僕もかなり頑張って踏んでいるが追い付かない。やはり40位を切ってくるとレベルが高く、MTBのスキルも高いので下りやシングルトラックで差をつめようと思ってもほんの僅かしかつまらない。砂埃にまみれ、真っ茶になった身体とバイク。会場のリッツ・カールトンが見えてきた。MCの声が聞こえ、少し安堵した。
バイクは33位。バイクラップ1位とは10分差、万全なら5分差ほどと考えてもやはり速い。単純に登りだけの差なので試走どうこうというより、ただの体力の差。如何ともし難い。

ランスタート。
足が前に出ない。動かない。女子の世界チャンピオンになったLesley Patersonとスタートするが、ランも最初からずっと登りなので10秒で千切られ、置いていかれた。速すぎる!ちなみにPatersonのランラップは男子も含めた総合で12位というもの。そりゃ速い。
ペタペタとか、ドスドスとか何となくでも前に進んでいそうな形容の仕方ならまだマシで、出涸らしになっていた僕のランはズブズブと形容された。どんどん抜かれ、エイジの選手にも抜かれる。腕を振り蹴ろうと必死にもがくが、泥沼に嵌ったかのような歩みの遅さは約半分の5キロまで続いた。半分からは少し動くようになり、ペースの合う選手とともに進んでいくが、足が痛いし喉もカラカラでフォームもバラバラ、こんな事を言っては何だが、見られたくない感じだった。
海が見えてきてゴールが近いと知る。最後に500Mほどだが短いビーチランがあり、そこは観客も多いので残りの体力を使ってしっかりと走り抜け、丘に上がったら見えてきたフィニッシュゲート。
総合48位でフィニッシュ。日本人1位。

何だかスッキリしている。
順調に進んでいたトレーニングがレース前の体調不良で消し飛んだ悔しさは不思議とその場にはなく、すでに「来年」という思いが生まれていた。

今回の参戦にあたって、多くのスポンサーや仲間にサポートをして頂きました。本当にありがとう!
速くなる余地がまだまだある。やる事があり過ぎて頭がパンクしそうだ!

優勝 Javier Gomez スペイン
2位  Josiah Middaugh アメリカ
3位 Conrad Stoltz 南アフリカ

小笠原崇裕