トライアスリートこそシクロクロス

トライアスリートこそシクロクロス

シクロクロス。起源はヨーロッパのローディー達が冬のオフトレとしてロードレーサーを一部改造し太いタイヤを履かせてオフロードを走り出したのが初まり。今日に至り、クロス専門の選手が生まれ逆に夏のロードレースをオフトレとして走り、プロロードレースでも活躍してナショナルチャンピオンを獲得し国の代表としてロード世界選手権へ出場してしまうほどの選手がクロスにはおり、ヨーロッパ、アメリカでは非常に人気の高い競技だ。
このクロスは日本ではトライアスロンが休息に入る10月から2月にかけて行われる、全国を10ブロックに分け、北は北海道から南は九州まであり、各レースでのカテゴリーは統一されている。カテゴリー3、2、1と分けられ、競技時間は3が30分、2が40分、1が60分前後となっている。例として東北シリーズでカテゴリー3で優勝すると次にどこのブロックのレースに出場してもカテゴリー2で出場となる、2から1へも同じ(細かい規定はHPへ)。
クロスバイクが無いというライダーも多いだろう、そういうライダーの為にカテゴリー3と2はマウンテンバイクでも出場可能、カテゴリー1はクロスバイクがルールなので1に上がった際には準備が必要だが、何も最新機材を揃える必要は無く、クロスフレームとカンチブレーキとクロスタイヤとMTBベダル&MTBシューズを用意したら以前のロードをバラし組み替えればクロスバイクの完成だ。ハードルは低い。


前置きが長くなったが今回の話は「トライアスリートこそシクロクロス」というもの。世界と比べるとバイクの差が依然として非常に大きい、それはプロもアマも同じでアイアンマンを見てもバイクの差=順位というのが如実に現れている。そこでトライアスリートに足りていないバイクのイロハをバイクのプロの目線から話してみよう。
日本ではトライアスロンのような個人タイムトライアルでの走り方をショートもロングも同じ様に一定回転数で心拍数に強弱を付けないようにってのがセオリーのように教わるだろう、そしてトレーニングでも同じ様に坦々と長距離を一定ペースを刻むような走り方をする方が多いだろう。
バイクは坂や路面や風といった常に変化する状況の中で走っているが、それ等に合わせて自分の走りを合わせていたらいつまでたっても殻は破られない。外的要因に打ち勝つ力が必要って事です。
そのトレーニングとして最適なのがシクロクロス、いきなりマウンテンバイクのレースではコースをほとんど乗られない状況になりえるのでクロスがオススメ。なぜクロスが良いのかというとレース時間が短いので短時間で高強度、コースが難しくないので安全ってのがある。
私はクロスにしっかり出場していた頃は60分のレースを平均心拍数がMAXの95%という高いレベルで走っていた、酸欠で意識朦朧としながらもペダルを踏み、展開を予想して動き、テクニックを駆使する。ロードのクリテリウムをオフロードで行うようなものでスタートしたら最後までずっと全力、ペダルを踏む力を緩めれば次々に抜かれるだろう。
ロードレースではなくクロスが良いのは前のライダーがアタックし、付いていかなくてはならない状況で何とかアタックに付けても風の抵抗より路面抵抗が大きいので後に付いても全く休めないのである、地足が無ければそこですぐに千切れてしまうだろう。
砂地ではタイヤがズブズブと埋まってしまう、こういった路面では軽いギアをクルクル回していては一瞬で止まってしまうので重いギアをグイーングイーンと回す必要がある、軽いギアをクルクル回すのはドリブルのようなもので上支点でペダルをポンと踏んだら残りは足の重みのみでペダルが回っていくが、オフロードでこの踏み方をしていたら失速する一方で、常にペダルにトルクを掛け続けるペダリングが必要になってくる、それには引き足が非常に重要となってくるしスムーズな回転運動が出来ないとスピードが全く上がっていかない。オフロードを走る事によって、自分で踏み上げる負荷+風の負荷+路面負荷とトリプルで負荷が掛かってくる。

写真は先日お台場で行われたトライアスロンの全日本選手権での一コマ、優勝者、入賞者が入る第一集団のコーナリング中だがドライで滑りそうな不安も無い路面であっても前のライダーと1車身ものスペースが開いてしまっている、という事はコーナーの立ち上がりではこの1車身を詰める為に無駄な踏み込みが要るわけです、後に居れば居るほど踏む時間は長くなります。お台場はこういったコーナーが多くあるのでそれを繰り返すと足の残り方に物凄い差が出ます。
こういう場合は前のライダーと並ぶようにしてコーナーに入って行き、立ち上がりの加速は弱め、加速する前のライダーのドラフティングにスっと入っていくと立ち上がりの無駄足を使わなくなります。クロスでは似たようなアールのコーナーでも木の根があるとか泥になっているとか路面状況が違えば進入ラインから抜けて行く方向、ブレーキをかける位置からバイクの寝かせ方まで全てが変ってくる、一つのコーナーであっても複数のラインを選べられるスキルを獲得して欲しい、そうすればただ消化していくコーナーが絶好のアタックポイントとして見えてくるだろう。
独走力が必要なトライアスロンにおいて自力を上げる事はそのまま結果に繋がる、この自力を上げる為にあえて自分を苦しい環境に置いてみてはどうだろうか?1シーズン通してクロスに参戦すればきっと来シーズンのバイク力はアップしているだろう。
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