つべこべ言う前に乗れ

昨今の自転車ブームはもちろん歓迎だ。

しかしプロライダーの視点から言わせてもらえば「つべこべ講釈垂れる前に乗れ」だ。
雑誌やWEBを読み漁り、理論や理屈や知識ばかりが増えて経験が全く増えていないであろうライダーが結構見受けられる。エアロホイールは登りで重いとか、このタイヤは滑るだとか本当に経験してから言っているのか疑問に思うこともある。月間3000キロも乗らないのに長距離乗ると疲れるフレームだとか足に来るだとか、誰もが頑張ったなと言えるだけ乗ってから講釈垂れろとプロとしては思うのだ。20年前は5万円もしなくて調整してもロクに変速もしないバイクでリムが磨り減って割れるまで乗ったものだ、そして40万円も出せば最高級車が買えた、このグレードのバイクは選ばれし者だけが乗られるような代物だった。今では1台目から100万円とかザラ、その100万円のバイクでロクに真っ直ぐ走られずフラフラ走っているのは自動車免許取り立ての初心者がフェラーリに乗ってエンストしまくっているのと同じだ、一昔前なら指差されて笑われてしまうような醜態。おっと言い過ぎか、ごめんごめん。
ポジションも最初から高いお金を出して決めてもらう事は無い、とにかく乗って乗って乗りまくれば自ずと痛みや不具合が出てきて「何か違う」と気が付く。それから知識のあるフィッターにポジションを見てもらえば良い。しかし身体の長さや角度で割り出される数値はあくまでも平均値であり、フィッターが経験豊富でプラスαを注いでくれたならば更に良いフィッティングになるだろう。
トレーニングとて同じ。有名なライダーのブログを読み、同じワットの数値や時間を目標にトレーニングを行ったりするが走るレースも違えば目標とするレースも違うのに同じメニューをこなしてどうする。一例を挙げると、ロードレースを走るライダーがとある選手のワットを指標にしてトレーニングを積んでいた、目標とするレースまでには指標とする選手と同じワットで同じ時間をこなせるまでになっていた、そしてレース。集団内では周りのライダーよりかなり楽に走れている自分がいる、そして後半に入った。アタックがバンバン掛かりだした、しかしどーだ、アタックに反応できるダッシュ力が無くアタックに乗れない、追い付こうと先頭を引いてジワジワと追いつく事数回、カウンターで強烈なアタックが掛かった!足は残っているものの全力で踏んでも離れていく・・レース終了~と。単純にワットが出せる、〇〇の登りが何分といってもレースは対人。この部分をよ~く理解して欲しい。
タイヤが滑ろうと滑りながら走るスキルを身に付ければ良い、ホイールが重ければ重さに打ち勝つ筋力を付ければ良い。非常に厳しい意見だが自転車競技とは優しいものではない、厳しさを知っていたならば簡単に「強くなりたい」とは言えないはずだ。
そんな昨今の甘さにプロからのあくまでも、自転車乗り=速く走るという妄想からの意見。(笑)